半年の穢れを祓い、清らかな夏へ
― 夏越しの祓(なごしのはらえ)とちいさな茅の輪 ―

一年の折り返しを迎える6月。梅雨の湿り気の中に、夏の気配が少しずつ混じりはじめるこの時期、日本各地の神社で「夏越しの祓(なごしのはらえ)」という行事が行われます。
神社の境内に現れる、大きな「茅の輪(ちのわ)」。青々とした茅(ちがや)で編まれたこの輪を、左・右・左と「8の字」にくぐるのが「茅の輪くぐり」です。この 儀式には、半年間に知らず知らずに積もった“けがれ”を祓い、残りの半年を清らかな心で過ごせるように、という願いが込められています。
輪をくぐりながら、*「水無月の 夏越の祓する人は 千歳の命 延ぶというなり」と唱えるのも、この行事ならでは。声に出すたびに、体の奥に澱んでいたものがすっと軽くなるような、不思議な感覚に包まれます。最近では、この茅の輪にペット用の小さな輪を用意している神社も増えています。犬や猫と一緒にくぐることができるよう、地面近くに設置されたり、小型犬用サイズの輪が別に置かれていたりと配慮されています。
*「6月に夏越の祓をする人は、寿命が延びて千年生きるといわれていますよ」という、無病息災・長寿を願う祈りの言葉として親しまれています。
また、紙でできた人形「形代(かたしろ)」に自分の名前を書き、体をなでて息を吹きかけることで、自分の穢れを人形に移すという風習も。それを川に流したり、神社で焚き上げてもらうことで、身も心も一度リセットするような清々しさを感じることができます。
大切な存在とともに、一年のちょうど真ん中で立ち止まり、心を整える時間。
それは、ペットにとっても、私たちにとっても、静かで大事なひとときなのかもしれません。
小さな命にも、大きな祈りを。
今年の夏越しの祓は、家族みんなで訪れてみてはいかがでしょうか。
水無月を食べよう!!
夏越の祓に欠かせないものが、和菓子の「水無月(みなづき)」。白いういろう生地に小豆をたっぷりのせ、三角形に切り分けた、見た目にも涼しげなお菓子です。三角の形は、氷を表しています。昔の人々にとって氷は貴重なもので、暑気払いとして宮中では夏に氷を口にする風習がありました。その氷をかたどり、庶民も涼を楽しめるようにと生まれたのが、このお菓子です。また、小豆には古くから魔除けの意味があり、けがれを祓う「夏越の祓」ともよく合います。この三角の小さなお菓子にこめられているのは、「これからの半年も、元気で過ごせますように」というささやかな願い。この夏の始まりに、小さな祈りとともに、「うちの子」へやさしいひと皿を。
ミルク水無月

夏の水分・栄養補給にもおすすめ!
小豆には利尿作用やむくみを取る効果が期待できます。また、小豆には邪気を祓う意味があり、昔から「健康を守る豆」として大切にされてきました。アレルギーがなければ、少しだけ取り入れてみるのもいいかもしれません。(犬は人よりも野菜や豆類が消化しにくいため、十分にやわらかくして刻んだり潰したりして与えてください)
- 材料
ミルクエイド 大さじ1
寒天 2g
ゆで小豆(砂糖、塩など加えていないもの) 適量
- 作り方
- ミルクエイドと寒天を250ccのお湯で溶かし、冷蔵庫で固める
- ゆで小豆を細かく刻み、寒天の上にのせる
*ワンコ用ゆで小豆の作り方
ゆで小豆はスープジャーで簡単に作ることができます
作り方
- スープジャーに洗った小豆を入れ、熱湯を口まで注ぐ
(小豆に対して3倍の熱湯が入るポットやスープジャーを使います) - ふたをして30分おく
30分経ったらお湯を捨て、再び熱湯を口まで注ぐ - そのまま3時間保温する
- いったんお湯を捨て熱湯を再び口まで注ぐ
- そのまま3時間保温する
これでほくっとした仕上がりに!
夏越しごはんを作ろう!!

「夏越ごはん」とは、雑穀や豆、旬の野菜を使った、からだをいたわるごはんのこと。人用の行事食をヒントに、ハーベストの人気商品を使ってアレンジすれば、ワンちゃんも安心して楽しめます。
小豆粥
- 材料
鶏むねシチュー仕立て 1袋
かぼちゃ 5mm角にカット 大さじ2
オクラ ゆでてみじん切り 小さじ1
ごはん 大さじ1
ゆで小豆 刻んだもの 大さじ1

- 作り方
- オクラを茹でる
- 適量のお湯に小さくカットしたカボチャを入れ柔らかくなるまで煮る
- 刻んだゆで小豆、炊いたごはんを加え3分ほど煮る
- 鶏むねシチュー仕立てを加え、刻んだオクラをのせる