私たちがバンガードインターナショナルフーズのスタッフです
#1 遠塚谷郁子 商品開発担当・獣医師

#1遠塚谷郁子 商品開発担当・獣医師

バンガードインターナショナルフーズは、社員29人の日本のアットホームな会社です。ペットフードの会社ですから、ペットとの同伴出勤も許されています。こちらのコーナーでは、スタッフそれぞれの社業への思いや、ペット・動物との関わりを紹介します。

保護犬・保護猫とともに「安心安全な美味しいフード」を開発しています!

バンガードインターナショナルフーズの<良質な原材料を厳選した安心安全で高品質なオリジナルフード>の開発は、心から犬と猫を愛する専門知識豊富なスタッフに支えられています。その中心的役割を果たす遠塚谷郁子(とおづかや・いくこ)さんは、愛犬のためにより良い環境を求めて、バンガードインターナショナルフーズの本社がある千葉県佐倉市の近くに越してきました。その1年後、当時の愛犬が縁を呼び、同社に入社しました。獣医師の資格を持ち、専門知識をフード開発に生かしている遠塚谷さんですが、生活を共にする犬猫たちの協力もまた、高品質かつお客様のペットに愛される商品の開発に不可欠だと言います。(取材・文・写真/内村コースケ=フォトジャーナリスト)

亡き愛犬が結んだ縁

遠塚谷さんがバンガードインターナショナルフーズに入社したのは、当時飼っていたバーニーズ・マウンテンドッグの「キノ」の葬式がきっかけだった。キノが10歳の時に、のびのびとした環境を与えようと、千葉県内の住宅密集地から、緑豊かな八街市の広い一軒家に越してきた。その翌年、11歳でキノは亡くなってしまったが、結果的にそれが、獣医師の資格を持ちながら長年動物とは無関係な仕事をしてきた遠塚谷さんに、再び動物と深く関わるきっかけを与えてくれた。

 「キノのお葬式が終わって、火葬場の人に聞いた初めての道で帰宅したのですが、その途中で、バンガードインターナショナルフーズの本社の前を通りかかったのです。建物に犬のマーク(「ナチュラルハーベスト」のロゴ)が書かれていて、こんなところにペットフードメーカーがあるんだなあ、と。当時は夫の会社の事務員をしていたのですが、ワンコも亡くなったことだし、何か自分が好きな仕事をしようかなと思って、バンガード社に採用問い合わせメールを出しました」。

入社後は、獣医師としての専門知識を生かして、これまで10年余りフードの開発に携わってきた。エンドユーザーである犬猫の体と心をよく理解していなければ務まらない仕事だ。キノに続いて、ゴールデン・レトリーバーの「ユキ」とラブラドール・レトリーバーの「ゴン」、そして、2頭亡き今は昨年末に迎えたばかりの雑種の兄妹「ミルク」「マロン」と暮らす。さらには、5匹の猫のほか、複数の地域猫が家を出入りしている。いずれも、ペットショップで売れ残っていたり飼育放棄された保護犬、そして保護猫だ。

子どもの頃から犬猫の里親に

「子どもの頃から、犬や猫を拾っては育て、誰かに譲るということを繰り返してきました。小学校6年の文集には、『私は獣医になりたい』と書きました。それをしばらく忘れていて、思い出したように大学で獣医学部に入ったのですが(笑)」

郷里の青森県八戸市の実家には、常に犬と猫がいた。いっぺんに多頭飼いをしていたのではなく、保護しては飼い主を探すという、犬猫の保護活動を自然とやっていた。家族全員が動物好きで、子供の頃の写真には常に犬が写っている。

大学卒業後、夢だった獣医になったが、結婚を機にその世界を離れた。動物は好きだが、動物の死を引きずってしまい、臨床獣医の仕事は「全然向いていなかった」と笑う。洋服が好きで人と接する事が好きで、畑違いのセレクトショップを経営したりと好きな事に没頭してきた。ただ、犬猫との暮らしは途切れずにずっと続き、バーニーズのキノが、再び職業人としてペットに関わるきっかけを与えてくれたのは、冒頭で書いた通りだ。

捨てがたかった「犬がいる生活」

現在、雑種犬の「ミルク」「マロン」と、ボス猫の「お父さん」、白猫の「ミイ」ら5頭の猫と暮らす家は、バンガードインターナショナルフーズ本社にほど近い落花生畑に囲まれた古民家だ。猫たちがくつろぐ縁側と広い庭があり、取材時にまだパピーだったミルクとマロンは、サークル代わりに囲ったリビングの広いスペースでのびのびと暮らしていた。

「去年の4月にユキが亡くなって、(久しく経験していなかった)犬がいない生活になりました」。2年前から田舎から認知症の母を引き取り同居していることや、会社の業務が忙しくなっていたこと、自分の年齢を考えても「もう犬は無理かな。『猫手間いらず』と言いますが、『これからは猫だけでいこう』と一度は決心しました」。

ところが、ある日テレビで、認知症のおばあちゃんが犬との触れ合いの中で感情を蘇らせる様子を見て、決心が揺らいだ。「犬とアイコンタクトを取ると幸せホルモンが出たりとか、犬と暮らすことは脳にもいいと前から思っていたのですが、そのテレビを見たのをきっかけに、やはり我が家の生活には犬が必要だな、と思い直しました。私自身も運動不足で不規則な生活になっていたし、また犬を迎えれば母を含めて、生活のリズムを良い方向に変えてくれるのかなあという気持ちになったんです」。

バンガードインターナショナルフーズがフードを提供している保護団体に連絡を取ると、ちょうど河川敷に捨てられていた兄弟犬がいるとのこと。早速会いに行き、昨年の大晦日に2頭を一緒に引き取った。「来た時からいい子。頭のいい子たちです。おしっこもちゃんとできるし、体重もメキメキ増えています」。それぞれの白と茶の毛色から、ミルクとマロンと名付けた。

社員のペットが商品モニター

バンガードインターナショナルフーズの社員のペットは、フードの開発に大きく貢献している。毎日生活を共にしている犬猫の健康状態や嗜好はおおいに参考になるし、実際に試作品を味見してもらうことも多い。遠塚谷さんのレトリーバー、ユキとゴンも、いつもモニターになってくれた。

「試作だけでボツになった品も山ほどあります。商品化されなかったものは、社員の犬猫たちによる嗜好性試験に落ちたものばかりです。食べることは食べても、反応がイマイチなものであったり。うちの場合は、食いしん坊なラブとゴールデンだったのでなんでも食べるんですが、やっぱり美味しさにはランクがあります。食いつきが悪くて何回も改良を重ねることも少なくありません」

「当社の場合は、香料や着色料を使うということはしないので、そこが一番難しいですね。例えば、ビスケットだと、大麦だけのシンプルなものだと、食いつきが悪くてホームセンターなどで売っている匂いのついたものに負けてしまいます。そうした添加物を使わずに、形なども含めていかにおいしくできるか。みんなで犬猫の反応を見ながら試行錯誤しています」。近年は老犬・老猫の割合が増えているので、固いジャーキーなどを自然の素材だけを使ってやわらかくする工夫が課題だという。

新しい家族のミルクとマロンは、遠塚谷さんと同伴出勤中。平日の日中は事務所内のサークルと敷地内の広いドッグランで過ごしている。常に人の愛情をたっぷりと受け、すくすくと育っている2頭が近い将来、バンガードインターナショナルフーズの“試食部長”になるのは間違いない。

健康は毎日の食事から

バンガードインターナショナルフーズの顧客には、遠塚谷さんと同じ保護犬の飼い主の割合が多い。「保護犬の場合、小さい頃の食事内容があまり良くなかった子が多いので、免疫力が低かったりとか、皮膚病を持っていたりとか、お腹が弱くて軟便になっていたりというケースが見られます。それらは、大人になってからでも、しっかりとお腹を鍛える『腸活』でいっぺんによくなることもあります。やはり食事は大事だな、と思います」。

『腸活』に良いのは、たとえば、乳酸菌が入っているドライフードなど。遠塚谷さんの最近のオススメは、クリルオイル(南極オキアミから抽出した高吸収性のオメガ3オイル)と高密度濃縮乳酸菌「フェカリス菌」を組み合わせたサプリメント『クリルフェカリス』だ。

商品開発担当・獣医師として、お客さんの相談に直接答えることが多い遠塚谷さん。「お悩み別に、トッピングをあげたりとか、おやつを使うこともアドバイスしますが、基本的には、毎日の食事をしっかりと食べ、運動をすることで、色々なことが起こっても解決できる体を作っていくというのが、うちの考え方です」。

「健康は毎日の食事から」――。そのモットーを胸に、遠塚谷さんやミルク、マロン、お父さん、ミイちゃんたちは日々頑張っている。

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