尿路結石症のおはなし

尿路結石症とは?

“尿路(にょうろ)”とは、読んで字のごとく腎臓で作られた尿が外へ排泄されるまでの通路のこと。
そして“尿路結石症”は、その尿の通り道に“結石”という石のようなものができてしまう病気を指します。

結石ができると、尿の溜まる膀胱(ぼうこう)を傷つけたり、尿路をふさいで尿を出にくくしてしまいます。
尿は身体にとって不要な老廃物の集まりなので、できた結石が大きかったり量が多いと尿路を完全にふさいでしまい、排出されずに 身体の中に留まって、腎臓にダメージを与えます。
これがひどくなると腎臓が働かなくなり、「尿毒症」という死に至るような危険な症状になることもあるのです。とても怖い病気ですよね。

さらに犬の場合には、同時に細菌に感染し、膀胱炎や尿道炎を起こしていることが多いため、きちんと治療し完治しないと繰り返しかかってしまうところも要注意ポイントです。

こんな症状がみられたら要注意

尿路結石症のケアと予防

✔point1 運動

運動により体内で作られた乳酸等が尿pH*1を酸性方向にすることで、アルカリ尿になりにくいといわれています。
また、運動により喉が渇き飲水量が増加します。さらに、罹患率が高いといわれる肥満体を防ぐためにも有効ですね。

✔point2 飲水量アップ

飲水量が増えれば自然と尿量も増加します。そうすることで、尿中のミネラルが飽和状態*2になることや、細菌が繁殖する濃い尿を防ぎます。 さらに、作られた尿をできるだけ早く排出してしまうことも重要です。膀胱に尿を長時間滞留させないよう、トイレの機会を増やしましょう。

✔point3 専用の食事

ワンちゃんの多くは毎日同じフードを食べるため、食事の影響はとても大きいといえます。 飲水の促進や尿pH、ミネラルの調整その他、結石症のケアを目的にした食事がベスト。 一度かかったことがあるわんちゃんは、再発を防ぐためにも継続をおすすめします。

*1尿pHとは・・・酸性~アルカリ性の度合いを示します。pH7を中間に、数字が小さいほど酸性、大きいほどアルカリ性で1~14で表します。通常、尿は中性から若干酸性よりのpH6~6.5が理想とされています。


*2飽和状態とは・・・それ以上液体の中にミネラルを溶かせない状態。 つまり、ミネラルの量がそれ以上に増えても、尿の量がそれ以下に減っても、溶け切れないミネラルが浮遊する状態になります。 紅茶の中にお砂糖を溶かすのと同じと考えれば、想像しやすいですね。

 

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